第六章 個人情報保護委員会
第一節 設置等
委員会は、行政機関等の事務及び事業の適正かつ円滑な運営を図り、並びに個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するため、個人情報の適正な取扱いの確保を図ること(個人番号利用事務等実施者(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号。以下「番号利用法」という。)第十二条に規定する個人番号利用事務等実施者をいう。)に対する指導及び助言その他の措置を講ずることを含む。)を任務とする。
基本方針の策定及び推進に関すること。
認定個人情報保護団体に関すること。
特定個人情報(番号利用法第二条第九項に規定する特定個人情報をいう。)の取扱いに関する監視又は監督並びに苦情の申出についての必要なあっせん及びその処理を行う事業者への協力に関すること。
特定個人情報保護評価(番号利用法第二十七条第一項に規定する特定個人情報保護評価をいう。)に関すること。
個人情報の保護及び適正かつ効果的な活用についての広報及び啓発に関すること。
前各号に掲げる事務を行うために必要な調査及び研究に関すること。
所掌事務に係る国際協力に関すること。
委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。
委員長及び委員の任期は、五年とする。ただし、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員長及び委員は、再任されることができる。
委員長及び委員の任期が満了したときは、当該委員長及び委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。
前項の場合においては、任命後最初の国会において両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちに、その委員長又は委員を罷免しなければならない。
内閣総理大臣は、委員長又は委員が前条各号のいずれかに該当するときは、その委員長又は委員を罷免しなければならない。
委員長及び委員は、在任中、政党その他の政治団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
委員長及び常勤の委員は、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。
委員長、委員、専門委員及び事務局の職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職務を退いた後も、同様とする。
委員長及び委員の給与は、別に法律で定める。
委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、個人情報保護委員会規則を制定することができる。
第二節 監督及び監視
第一款 個人情報取扱事業者等の監督
委員会は、第四章(第五節を除く。次条及び第百五十一条において同じ。)の規定の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者、仮名加工情報取扱事業者、匿名加工情報取扱事業者又は個人関連情報取扱事業者(以下この款において「個人情報取扱事業者等」という。)その他の関係者に対し、個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報又は個人関連情報(以下この款及び第三款において「個人情報等」という。)の取扱いに関し、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、当該個人情報取扱事業者等その他の関係者の事務所その他必要な場所に立ち入らせ、個人情報等の取扱いに関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
委員会は、第四章の規定の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者等に対し、個人情報等の取扱いに関し必要な指導及び助言をすることができる。
委員会は、個人情報取扱事業者が第十八条から第二十条まで、第二十一条(第一項、第三項及び第四項の規定を第四十一条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第二十三条から第二十六条まで、第二十七条(第四項を除き、第五項及び第六項の規定を第四十一条第六項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第二十八条、第二十九条(第一項ただし書の規定を第四十一条第六項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第三十条(第二項を除き、第一項ただし書の規定を第四十一条第六項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第三十二条、第三十三条(第一項(第五項において準用する場合を含む。)を除く。)、第三十四条第二項若しくは第三項、第三十五条(第一項、第三項及び第五項を除く。)、第三十八条第二項、第四十一条(第四項及び第五項を除く。)若しくは第四十三条(第六項を除く。)の規定に違反した場合、個人関連情報取扱事業者が第三十一条第一項、同条第二項において読み替えて準用する第二十八条第三項若しくは第三十一条第三項において読み替えて準用する第三十条第三項若しくは第四項の規定に違反した場合、仮名加工情報取扱事業者が第四十二条第一項、同条第二項において読み替えて準用する第二十七条第五項若しくは第六項若しくは第四十二条第三項において読み替えて準用する第二十三条から第二十五条まで若しくは第四十一条第七項若しくは第八項の規定に違反した場合又は匿名加工情報取扱事業者が第四十四条若しくは第四十五条の規定に違反した場合において個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者等に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。
委員会は、前項の規定による勧告を受けた個人情報取扱事業者等が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認めるときは、当該個人情報取扱事業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
委員会は、前二項の規定にかかわらず、個人情報取扱事業者が第十八条から第二十条まで、第二十三条から第二十六条まで、第二十七条第一項、第二十八条第一項若しくは第三項、第四十一条第一項から第三項まで若しくは第六項から第八項まで若しくは第四十三条第一項、第二項若しくは第五項の規定に違反した場合、個人関連情報取扱事業者が第三十一条第一項若しくは同条第二項において読み替えて準用する第二十八条第三項の規定に違反した場合、仮名加工情報取扱事業者が第四十二条第一項若しくは同条第三項において読み替えて準用する第二十三条から第二十五条まで若しくは第四十一条第七項若しくは第八項の規定に違反した場合又は匿名加工情報取扱事業者が第四十五条の規定に違反した場合において個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者等に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
委員会は、前二項の規定による命令をした場合において、その命令を受けた個人情報取扱事業者等がその命令に違反したときは、その旨を公表することができる。
委員会は、前三条の規定により個人情報取扱事業者等に対し報告若しくは資料の提出の要求、立入検査、指導、助言、勧告又は命令を行うに当たっては、表現の自由、学問の自由、信教の自由及び政治活動の自由を妨げてはならない。
前項の規定の趣旨に照らし、委員会は、個人情報取扱事業者等が第五十七条第一項各号に掲げる者(それぞれ当該各号に定める目的で個人情報等を取り扱う場合に限る。)に対して個人情報等を提供する行為については、その権限を行使しないものとする。
事業所管大臣は、個人情報取扱事業者等に第四章の規定に違反する行為があると認めるときその他個人情報取扱事業者等による個人情報等の適正な取扱いを確保するために必要があると認めるときは、委員会に対し、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。
この款の規定における事業所管大臣は、次のとおりとする。
個人情報取扱事業者等が行う個人情報等の取扱いのうち雇用管理に関するものについては、厚生労働大臣(船員の雇用管理に関するものについては、国土交通大臣)及び当該個人情報取扱事業者等が行う事業を所管する大臣、国家公安委員会又はカジノ管理委員会(次号において「大臣等」という。)
個人情報取扱事業者等が行う個人情報等の取扱いのうち前号に掲げるもの以外のものについては、当該個人情報取扱事業者等が行う事業を所管する大臣等
第二款 認定個人情報保護団体の監督
委員会は、第四章第五節の規定の施行に必要な限度において、認定個人情報保護団体に対し、認定業務に関し報告をさせることができる。
委員会は、第四章第五節の規定の施行に必要な限度において、認定個人情報保護団体に対し、認定業務の実施の方法の改善、個人情報保護指針の変更その他の必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
第三款 行政機関等の監視
第三節 送達
前条の規定による送達については、民事訴訟法第百条第一項、第百一条、第百二条の二、第百三条、第百五条、第百六条及び第百八条の規定を準用する。この場合において、同項中「裁判所」とあり、及び同条中「裁判長」とあるのは「個人情報保護委員会」と、同法第百一条第一項中「執行官」とあるのは「個人情報保護委員会の職員」と読み替えるものとする。
第四節 雑則
委員会は、毎年、内閣総理大臣を経由して国会に対し所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならない。
委員会は、この法律の円滑な運用を確保するため、総合的な案内所を整備するものとする。