第三章 保険給付
第一節 通則
この法律による保険給付は、次のとおりとし、政府及び実施機関(厚生労働大臣を除く。第三十四条第一項、第四十条、第七十九条第一項及び第二項、第八十一条第一項、第八十四条の五第二項並びに第八十四条の六第二項並びに附則第二十三条の三において「政府等」という。)が行う。
老齢厚生年金
障害厚生年金及び障害手当金
遺族厚生年金
財政の現況及び見通しにおいて、前項の調整を行う必要がなくなつたと認められるときは、政令で、調整期間の終了年度を定めるものとする。
政府は、調整期間において財政の現況及び見通しを作成するときは、調整期間の終了年度の見通しについても作成し、併せて、これを公表しなければならない。
保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に五十銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数が生じたときは、これを一円に切り上げるものとする。
前項に規定するもののほか、保険給付の額を計算する場合において生じる一円未満の端数の処理については、政令で定める。
年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終るものとする。
年金は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。
年金は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、支払期月でない月であつても、支払うものとする。
保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、政令で定める。
未支給の保険給付を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
障害厚生年金は、その受給権者が他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金を除く。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。老齢厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(遺族厚生年金を除く。)又は同法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金を除く。)を受けることができる場合における当該老齢厚生年金及び遺族厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(老齢厚生年金を除く。)又は同法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金、障害基礎年金並びに当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される遺族基礎年金を除く。)を受けることができる場合における当該遺族厚生年金についても、同様とする。
乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。
年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金が支払われた場合における当該年金の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。
年金たる保険給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金たる保険給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該年金たる保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢厚生年金については、この限りでない。
第二節 老齢厚生年金
老齢厚生年金の額は、被保険者であつた全期間の平均標準報酬額(被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額に、別表各号に掲げる受給権者の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める率(以下「再評価率」という。)を乗じて得た額の総額を、当該被保険者期間の月数で除して得た額をいう。附則第十七条の六第一項及び第二十九条第三項を除き、以下同じ。)の千分の五・四八一に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて得た額とする。
受給権者が毎年九月一日(以下この項において「基準日」という。)において被保険者である場合(基準日に被保険者の資格を取得した場合を除く。)の老齢厚生年金の額は、基準日の属する月前の被保険者であつた期間をその計算の基礎とするものとし、基準日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。ただし、基準日が被保険者の資格を喪失した日から再び被保険者の資格を取得した日までの間に到来し、かつ、当該被保険者の資格を喪失した日から再び被保険者の資格を取得した日までの期間が一月以内である場合は、基準日の属する月前の被保険者であつた期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、基準日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。
被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して一月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であつた期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日(第十四条第二号から第四号までのいずれかに該当するに至つた日にあつては、その日)から起算して一月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する。
当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数(総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数をいう。以下同じ。)に対する当該年度の初日の属する年の前年の物価指数の比率
イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の三乗根となる率
当該年度の初日の属する年の五年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年における物価指数の比率
イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率
〇・九一〇から当該年度の初日の属する年の三年前の年の九月一日におけるこの法律の規定による保険料率(以下「保険料率」という。)の二分の一に相当する率を控除して得た率
〇・九一〇から当該年度の初日の属する年の四年前の年の九月一日における保険料率の二分の一に相当する率を控除して得た率
当該年度の前々年度又は当該年度の初日の属する年の三年前の年の四月一日の属する年度に属する月の標準報酬(以下「前々年度等の標準報酬」という。)に係る再評価率 物価変動率に可処分所得割合変化率を乗じて得た率
当該年度に属する月の標準報酬に係る再評価率については、当該年度の前年度におけるその年度に属する月の標準報酬に係る再評価率に可処分所得割合変化率を乗じて得た率を基準として設定する。
前年度の標準報酬及び前々年度等の標準報酬に係る基準年度以後再評価率の改定については、前項の規定にかかわらず、前条第二項各号の規定を適用する。
前二項の規定による基準年度以後再評価率の改定の措置は、政令で定める。
当該年度の初日の属する年の五年前の年の四月一日の属する年度における公的年金の被保険者(この法律又は国民年金法の被保険者をいう。)の総数として政令で定めるところにより算定した数(以下この号において「公的年金被保険者総数」という。)に対する当該年度の前々年度における公的年金被保険者総数の比率の三乗根となる率
〇・九九七
調整率に当該年度の前年度の特別調整率を乗じて得た率
調整率に当該年度の前年度の特別調整率を乗じて得た率
名目手取り賃金変動率が一を下回る場合の調整期間における再評価率の改定又は設定については、前三項の規定にかかわらず、第四十三条の二第一項から第三項までの規定を適用する。
第一項から第三項までの特別調整率とは、第一号の規定により設定し、第二号の規定により改定した率をいう。
平成二十九年度における特別調整率は、一とする。
特別調整率については、毎年度、名目手取り賃金変動率に調整率を乗じて得た率を算出率で除して得た率(名目手取り賃金変動率が一を下回るときは、調整率)を基準として改定する。
調整期間における基準年度以後再評価率の改定については、前条の規定にかかわらず、第一号に掲げる率に第二号に掲げる率を乗じて得た率(当該率が一を下回るときは、一。以下この条において「基準年度以後算出率」という。)を基準とする。
物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)
調整期間における次の各号に掲げる基準年度以後再評価率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
前年度の標準報酬に係る基準年度以後再評価率 イに掲げる率にロに掲げる率を乗じて得た率(基準年度以後算出率が一となる場合にあつては、当該乗じて得た率に、一をハに掲げる率にロに掲げる率を乗じて得た率で除して得た率を乗じて得た率)
物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)
前々年度等の標準報酬に係る基準年度以後再評価率 物価変動率に前号イに掲げる率及び同号ロに掲げる率を乗じて得た率(基準年度以後算出率が一となる場合にあつては、当該乗じて得た率に、一を同号ハに掲げる率に同号ロに掲げる率を乗じて得た率で除して得た率を乗じて得た率)
物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)
物価変動率又は名目手取り賃金変動率が一を下回る場合の調整期間における基準年度以後再評価率の改定又は設定については、前三項の規定にかかわらず、第四十三条の二第三項並びに第四十三条の三第一項及び第二項の規定を適用する。
第一項から第三項までの基準年度以後特別調整率とは、第一号の規定により設定し、第二号の規定により改定した率をいう。
基準年度における基準年度以後特別調整率は、イに掲げる率にロに掲げる率を乗じて得た率とする。
物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)に調整率を乗じて得た率を基準年度以後算出率で除して得た率(物価変動率又は名目手取り賃金変動率が一を下回るときは、調整率)
前各項の規定による基準年度以後再評価率の改定又は設定の措置は、政令で定める。
老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が二百四十以上であるものに限る。)の額は、受給権者がその権利を取得した当時(その権利を取得した当時、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が二百四十未満であつたときは、第四十三条第二項又は第三項の規定により当該月数が二百四十以上となるに至つた当時。第三項において同じ。)その者によつて生計を維持していたその者の六十五歳未満の配偶者又は子(十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子及び二十歳未満で第四十七条第二項に規定する障害等級(以下この条において単に「障害等級」という。)の一級若しくは二級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、第四十三条の規定にかかわらず、同条に定める額に加給年金額を加算した額とする。ただし、国民年金法第三十三条の二第一項の規定により加算が行われている子があるとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給を停止されているときを除く。)は、その間、当該子について加算する額に相当する部分の支給を停止する。
前項に規定する加給年金額は、同項に規定する配偶者については二十二万四千七百円に国民年金法第二十七条に規定する改定率であつて同法第二十七条の三及び第二十七条の五の規定の適用がないものとして改定したもの(以下この章において「改定率」という。)を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とし、同項に規定する子については一人につき七万四千九百円に改定率を乗じて得た額(そのうち二人までについては、それぞれ二十二万四千七百円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とする。
死亡したとき。
受給権者による生計維持の状態がやんだとき。
配偶者が、離婚又は婚姻の取消しをしたとき。
配偶者が、六十五歳に達したとき。
子が、養子縁組によつて受給権者の配偶者以外の者の養子となつたとき。
養子縁組による子が、離縁をしたとき。
子が、婚姻をしたとき。
子(障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある子を除く。)について、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき。
障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある子(十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子を除く。)について、その事情がやんだとき。
子が、二十歳に達したとき。
削除
老齢厚生年金の受給権を有する者であつてその受給権を取得した日から起算して一年を経過した日(以下この条において「一年を経過した日」という。)前に当該老齢厚生年金を請求していなかつたものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができる。ただし、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付(他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金を除く。)をいう。以下この条において同じ。)の受給権者であつたとき、又は当該老齢厚生年金の受給権を取得した日から一年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となつたときは、この限りでない。
当該老齢厚生年金の受給権を取得した日から起算して十五年を経過した日以後にあるとき。
老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)、国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続き当該国会議員又は地方公共団体の議会の議員である者に限る。)である日又は七十歳以上の使用される者(前月以前の月に属する日から引き続き当該適用事業所において第二十七条の厚生労働省令で定める要件に該当する者に限る。)である日が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の一年間の標準賞与額の総額を十二で除して得た額とを合算して得た額(国会議員又は地方公共団体の議会の議員については、その者の標準報酬月額に相当する額として政令で定める額とその月以前の一年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額として政令で定める額の総額を十二で除して得た額とを合算して得た額とし、七十歳以上の使用される者(国会議員又は地方公共団体の議会の議員を除く。次項において同じ。)については、その者の標準報酬月額に相当する額とその月以前の一年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額の総額を十二で除して得た額とを合算して得た額とする。以下「総報酬月額相当額」という。)及び老齢厚生年金の額(第四十四条第一項に規定する加給年金額及び第四十四条の三第四項に規定する加算額を除く。以下この項において同じ。)を十二で除して得た額(以下この項において「基本月額」という。)との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の二分の一に相当する額に十二を乗じて得た額(以下この項において「支給停止基準額」という。)に相当する部分の支給を停止する。ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(同条第四項に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとする。
第二十条から第二十五条までの規定は、前項の七十歳以上の使用される者の標準報酬月額に相当する額及び標準賞与額に相当する額を算定する場合に準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第一項の支給停止調整額は、六十二万円とする。ただし、六十二万円に令和七年度以後の各年度の物価変動率に第四十三条の二第一項第二号に掲げる率を乗じて得た率をそれぞれ乗じて得た額(その額に五千円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五千円以上一万円未満の端数が生じたときは、これを一万円に切り上げるものとする。以下この項において同じ。)が六十二万円(この項の規定による支給停止調整額の改定の措置が講ぜられたときは、直近の当該措置により改定した額)を超え、又は下るに至つた場合においては、当該年度の四月以後の支給停止調整額を当該乗じて得た額に改定する。
前項ただし書の規定による支給停止調整額の改定の措置は、政令で定める。
第三節 障害厚生年金及び障害手当金
障害厚生年金は、疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において被保険者であつた者が、当該初診日から起算して一年六月を経過した日(その期間内にその傷病が治つた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。以下同じ。)があるときは、その日とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に、その障害の程度に応じて、その者に支給する。ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから一級、二級及び三級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。
疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この条において「基準傷病」という。)に係る初診日において被保険者であつた者であつて、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後六十五歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下この条において「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級の一級又は二級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が二以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)に係る初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。
障害厚生年金の額は、第四十三条第一項の規定の例により計算した額とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が三百に満たないときは、これを三百とする。
障害厚生年金の給付事由となつた障害について国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が国民年金法第三十三条第一項に規定する障害基礎年金の額に四分の三を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)に満たないときは、前二項の規定にかかわらず、当該額をこれらの項に定める額とする。
第四十四条第四項(第五号から第十号までを除く。)の規定は、第一項の規定によりその額が加算された障害厚生年金について準用する。
第一項又は前項において準用する第四十四条第四項第二号の規定の適用上、障害厚生年金の受給権者によつて生計を維持していること又はその者による生計維持の状態がやんだことの認定に関し必要な事項は、政令で定める。
第五十条第一項に定める障害厚生年金の額については、当該障害厚生年金の支給事由となつた障害に係る障害認定日(第四十七条の三第一項の規定による障害厚生年金については同項に規定する基準傷病に係る障害認定日とし、第四十八条第一項の規定による障害厚生年金については併合されたそれぞれの障害に係る障害認定日(第四十七条の三第一項に規定する障害については、同項に規定する基準障害に係る障害認定日)のうちいずれか遅い日とする。)の属する月後における被保険者であつた期間は、その計算の基礎としない。
障害厚生年金の受給権者であつて、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(当該障害厚生年金の支給事由となつた障害に係る傷病の初診日後に初診日があるものに限る。以下この項及び第五十四条第二項ただし書において同じ。)に係る当該初診日において被保険者であつたものが、当該傷病により障害(障害等級の一級又は二級に該当しない程度のものに限る。以下この項及び同条第二項ただし書において「その他障害」という。)の状態にあり、かつ、当該傷病に係る障害認定日以後六十五歳に達する日の前日までの間において、当該障害厚生年金の支給事由となつた障害とその他障害(その他障害が二以上ある場合は、全てのその他障害を併合した障害)とを併合した障害の程度が当該障害厚生年金の支給事由となつた障害の程度より増進したときは、その者は、実施機関に対し、その期間内に障害厚生年金の額の改定を請求することができる。
第一項の規定により障害厚生年金の額が改定されたときは、改定後の額による障害厚生年金の支給は、改定が行われた月の翌月から始めるものとする。
第一項から第三項まで及び前項の規定は、六十五歳以上の者であつて、かつ、障害厚生年金の受給権者(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による障害基礎年金の受給権を有しないものに限る。)については、適用しない。
障害厚生年金の受給権者が、国民年金法による障害基礎年金の受給権を有する場合において、同法第三十四条第四項及び第三十六条第二項ただし書の規定により併合された障害の程度が当該障害基礎年金の支給事由となつた障害の程度より増進したときは、これらの規定により併合された障害の程度に応じて、当該障害厚生年金の額を改定する。
死亡したとき。
障害等級に該当する程度の障害の状態にない者が、六十五歳に達したとき。ただし、六十五歳に達した日において、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなつた日から起算して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく三年を経過していないときを除く。
障害厚生年金は、その受給権者が当該傷病について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第七十七条の規定による障害補償を受ける権利を取得したときは、六年間、その支給を停止する。
当該傷病について国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用する場合を含む。)、地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法に基づく条例、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律(昭和三十二年法律第百四十三号)若しくは労働基準法第七十七条の規定による障害補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による障害補償給付、複数事業労働者障害給付若しくは障害給付又は船員保険法による障害を支給事由とする給付を受ける権利を有する者
第四節 遺族厚生年金
被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であつて、行方不明となつた当時被保険者であつたものを含む。)が、死亡したとき。
前項の場合において、死亡した被保険者又は被保険者であつた者が同項第一号から第三号までのいずれかに該当し、かつ、同項第四号にも該当するときは、その遺族が遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をした場合を除き、同項第一号から第三号までのいずれかのみに該当し、同項第四号には該当しないものとみなす。
遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であつた者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母(以下単に「配偶者」、「子」、「父母」、「孫」又は「祖父母」という。)であつて、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者にあつては、行方不明となつた当時。以下この条において同じ。)その者によつて生計を維持したものとする。ただし、妻以外の者にあつては、次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか、又は二十歳未満で障害等級の一級若しくは二級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。
被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、第一項の規定の適用については、将来に向つて、その子は、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持していた子とみなす。
第一項の規定の適用上、被保険者又は被保険者であつた者によつて生計を維持していたことの認定に関し必要な事項は、政令で定める。
船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた被保険者若しくは被保険者であつた者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた被保険者若しくは被保険者であつた者の生死が三月間わからない場合又はこれらの者の死亡が三月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族厚生年金の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又はその者が行方不明となつた日に、その者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた被保険者若しくは被保険者であつた者若しくは航空機に乗つていてその航空機の航行中に行方不明となつた被保険者若しくは被保険者であつた者の生死が三月間わからない場合又はこれらの者の死亡が三月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。
遺族厚生年金(第五十八条第一項第四号に該当することにより支給されるものであつて、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が二百四十未満であるものを除く。)の受給権者である妻であつてその権利を取得した当時四十歳以上六十五歳未満であつたもの又は四十歳に達した当時当該被保険者若しくは被保険者であつた者の子で国民年金法第三十七条の二第一項に規定する要件に該当するもの(当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡後に同法第三十九条第三項第二号から第八号までのいずれかに該当したことがあるものを除く。)と生計を同じくしていたものが六十五歳未満であるときは、第六十条第一項第一号の遺族厚生年金の額に同法第三十八条に規定する遺族基礎年金の額に四分の三を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)を加算する。
遺族厚生年金の受給権は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
死亡したとき。
婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。
離縁によつて、死亡した被保険者又は被保険者であつた者との親族関係が終了したとき。
次のイ又はロに掲げる区分に応じ、当該イ又はロに定める日から起算して五年を経過したとき。
遺族厚生年金の受給権を取得した当時三十歳未満である妻が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の受給権を取得しないとき 当該遺族厚生年金の受給権を取得した日
遺族厚生年金と当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有する妻が三十歳に到達する日前に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したとき 当該遺族基礎年金の受給権が消滅した日
子又は孫の有する遺族厚生年金の受給権は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
子又は孫について、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき。ただし、子又は孫が障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にあるときを除く。
障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある子又は孫について、その事情がやんだとき。ただし、子又は孫が十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるときを除く。
子又は孫が、二十歳に達したとき。
遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について労働基準法第七十九条の規定による遺族補償の支給が行われるべきものであるときは、死亡の日から六年間、その支給を停止する。
前項の規定によつて遺族厚生年金の支給を停止された者は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
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第五節 保険給付の制限
被保険者又は被保険者であつた者が、故意に、障害又はその直接の原因となつた事故を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は、支給しない。
被保険者又は被保険者であつた者が、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となつた事故を生ぜしめ、若しくはその障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、保険給付の全部又は一部を行なわないことができる。
保険料を徴収する権利が時効によつて消滅したときは、当該保険料に係る被保険者であつた期間に基づく保険給付は、行わない。ただし、当該被保険者であつた期間に係る被保険者の資格の取得について第二十七条の規定による届出若しくは第三十一条第一項の規定による確認の請求又は第二十八条の二第一項(同条第二項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による訂正の請求があつた後に、保険料を徴収する権利が時効によつて消滅したものであるときは、この限りでない。
年金たる保険給付は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。
前号に規定する者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の回復を妨げたとき。
第二号厚生年金被保険者期間、第三号厚生年金被保険者期間又は第四号厚生年金被保険者期間に基づく保険給付については、前項の規定は、適用しない。