執行裁判所は、必要があると認めるときは、第八十九条第一項の規定による異議の申出をすべき期日(以下「配当期日」という。)を指定することができる。この場合には、前条第一項の規定にかかわらず、異議申出期間を指定することを要しない。
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第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行(第八十五条の三から第九十二条まで)
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和八年法律第四十六号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。
本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。
第八十五条の三
配当期日には、第八十五条第一項に規定する債権者及び債務者を呼び出さなければならない。
第十六条第三項及び第四項の規定は、前項の債権者(同条第一項前段に規定する者を除く。)の呼出しに係る電子呼出状(第二十条において準用する民事訴訟法第九十四条第一項第一号に規定する電子呼出状をいう。)の送達について準用する。
第一項の規定により配当期日が指定された場合には、第八十五条第一項の規定による同項本文に規定する事項の定め、同項ただし書の届出並びに同条第三項及び第四項の規定による電子配当表の作成は、当該配当期日においてしなければならない。
執行裁判所は、配当期日において、第八十五条第一項本文に規定する事項を定めるため必要があると認めるときは、出頭した債権者及び債務者を審尋し、かつ、即時に取り調べることができる書証又は電磁的記録に記録された情報の内容の取調べをすることができる。
第八十六条
執行裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所並びに第八十五条第一項に規定する債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によつて、配当期日における手続を行うことができる。
前項の配当期日に出頭しないでその手続に関与した者は、その配当期日に出頭したものとみなす。
第八十六条の二
売却代金は、次に掲げるものとする。
不動産の代金
第六十三条第二項第二号の規定により提供した保証のうち申出額から代金の額を控除した残額に相当するもの
第八十条第一項後段の規定により買受人が返還を請求することができない保証
第六十一条の規定により不動産が一括して売却された場合において、各不動産ごとに売却代金の額を定める必要があるときは、その額は、売却代金の総額を各不動産の売却基準価額に応じて案分して得た額とする。各不動産ごとの執行費用の負担についても、同様とする。
第七十八条第三項の規定は、第一項第二号又は第三号に規定する保証が金銭の納付以外の方法で提供されている場合の換価について準用する。
第八十七条
売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。
差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)
配当要求の終期までに配当要求をした債権者
差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者
差押えの登記前に登記(民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第一号又は第二号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)
前項第四号に掲げる債権者の権利が仮差押えの登記後に登記されたものである場合には、その債権者は、仮差押債権者が本案の訴訟において敗訴し、又は仮差押えがその効力を失つたときに限り、配当等を受けることができる。
差押えに係る強制競売の手続が停止され、第四十七条第六項の規定による手続を続行する旨の裁判がある場合において、執行を停止された差押債権者がその停止に係る訴訟等において敗訴したときは、差押えの登記後続行の裁判に係る差押えの登記前に登記された第一項第四号に規定する権利を有する債権者は、配当等を受けることができる。
第八十八条
確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。
前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの配当等の日における法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額をその債権の額とみなして、配当等の額を計算しなければならない。
第八十九条
電子配当表に記録された各債権者の債権又は配当の額について不服のある債権者及び債務者は、異議の申出(以下「配当異議の申出」という。)をすることができる。
執行裁判所は、配当異議の申出のない部分に限り、配当を実施しなければならない。
第一項の規定による配当異議の申出は、第八十五条の二第一項の規定により指定された異議申出期間内に、書面でしなければならない。ただし、第八十五条の三第一項の規定により配当期日が指定された場合には、当該配当期日において書面又は口頭でしなければならない。
第九十条
配当異議の申出をした債権者及び執行力のある債務名義の正本を有しない債権者に対し配当異議の申出をした債務者は、配当異議の訴えを提起しなければならない。
前項の訴えは、執行裁判所が管轄する。
第一項の訴えは、原告が最初の口頭弁論期日に出頭しない場合には、その責めに帰することができない事由により出頭しないときを除き、却下しなければならない。
第一項の訴えの判決においては、電子配当表を変更し、又は新たな電子配当表の調製のために、電子配当表を取り消さなければならない。
執行力のある債務名義の正本を有する債権者に対し配当異議の申出をした債務者は、請求異議の訴え又は民事訴訟法第百十七条第一項の訴えを提起しなければならない。
配当異議の申出をした債権者又は債務者が、異議申出期間の満了の日又は配当期日(知れていない抵当証券の所持人に対する配当異議の申出にあつては、その所持人を知つた日)から一週間以内(買受人が第七十八条第五項の規定により金銭を納付すべき場合にあつては、二週間以内)に、執行裁判所に対し、第一項の訴えを提起したことの証明をしないとき、又は前項の訴えを提起したことの証明及びその訴えに係る執行停止の裁判の正本若しくは記録事項証明書の提出をしないときは、配当異議の申出は、取り下げたものとみなす。
第九十一条
配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
停止条件付又は不確定期限付であるとき。
仮差押債権者の債権であるとき。
第三十九条第一項第七号又は第百八十三条第一項第二号ホに掲げる文書が提出されているとき。
その債権に係る先取特権、質権又は抵当権(以下この項において「先取特権等」という。)の実行を一時禁止する裁判の正本又は記録事項証明書が提出されているとき。
その債権に係る先取特権等につき仮登記又は民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記がされたものであるとき。
仮差押え又は執行停止に係る差押えの登記後に登記された先取特権等があるため配当額が定まらないとき。
配当異議の訴えが提起されたとき。
裁判所書記官は、配当等の受領のために執行裁判所に出頭しなかつた債権者(知れていない抵当証券の所持人を含む。)に対する配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
第九十二条
前条第一項の規定による供託がされた場合において、その供託の事由が消滅したときは、執行裁判所は、供託金について配当等を実施しなければならない。
前項の規定により配当を実施すべき場合において、前条第一項第一号から第五号までに掲げる事由による供託に係る債権者若しくは同項第六号に掲げる事由による供託に係る仮差押債権者若しくは執行を停止された差押債権者に対して配当を実施することができなくなつたとき、又は同項第七号に掲げる事由による供託に係る債権者が債務者の提起した配当異議の訴えにおいて敗訴したときは、執行裁判所は、配当異議の申出をしなかつた債権者のためにも電子配当表を変更しなければならない。
前条第一項の規定による供託がされた場合における当該供託に係る債権者(同項第六号に掲げる事由による供託がされた場合にあつては、当該供託に係る仮差押債権者又は執行を停止された差押債権者。以下この条において同じ。)は、その供託の事由が消滅したときは、直ちに、その旨を執行裁判所に届け出なければならない。
執行裁判所は、前条第一項の規定による供託がされた場合において、その供託がされた日(この項の規定によりその供託に係る供託の事由が消滅していない旨の届出をした場合にあつては、最後に当該届出をした日)から前項の規定による届出がされることなく二年を経過したときは、当該供託に係る債権者に対し、その供託に係る供託の事由が消滅しているときは同項の規定による届出をし、又はその供託に係る供託の事由が消滅していないときはその旨の届出をすべき旨を催告しなければならない。
前項の規定による催告を受けた当該供託に係る債権者が、催告を受けた日から二週間以内に第三項の規定による届出又は前項の規定による供託の事由が消滅していない旨の届出をしないときは、執行裁判所は、当該供託に係る債権者を除外して第一項及び第二項の規定により供託金について配当等を実施する旨の決定をすることができる。
前項の決定は、当該供託に係る債権者が当該決定の告知を受けた日から一週間の不変期間が経過した日にその効力を生ずる。ただし、当該供託に係る債権者が当該不変期間が経過するまでに第三項の規定による届出又は第四項の規定による供託の事由が消滅していない旨の届出をしたときは、この限りでない。
当該供託に係る債権者が第四項に規定する期間を経過する前に執行裁判所にその供託に係る供託の事由が消滅していない旨の届出をしたときは、同項の規定の適用については、同項の規定による供託の事由が消滅していない旨の届出があつたものとみなす。