売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。
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第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行(第七十八条から第八十五条の二まで)
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和八年法律第四十六号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。
本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。
第七十八条
買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭及び前条第一項の規定により納付した金銭は、代金に充てる。
買受人が第六十三条第二項第一号又は第六十八条の二第二項の保証を金銭の納付以外の方法で提供しているときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところによりこれを換価し、その換価代金から換価に要した費用を控除したものを代金に充てる。この場合において、換価に要した費用は、買受人の負担とする。
買受人は、売却代金から配当又は弁済を受けるべき債権者であるときは、売却許可決定が確定するまでに執行裁判所に申し出て、配当又は弁済を受けるべき額を差し引いて代金を納付することができる。この場合において、代金は、異議申出期間(第八十五条の二第一項に規定する異議申出期間をいう。次項において同じ。)が満了する日までに納付し、又は配当期日(第八十五条の三第一項に規定する配当期日をいう。次項及び第八十五条第一項において同じ。)若しくは弁済金の交付の日に納付しなければならない。
前項の場合において、買受人の受けるべき配当の額について異議の申出があつたときは、買受人は、異議申出期間が満了する日又は配当期日から一週間以内に、異議に係る部分に相当する金銭を納付しなければならない。
裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、第一項の期限を変更することができる。
第一項又は前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
第七十九条
買受人は、代金を納付した時に不動産を取得する。
第八十条
買受人が代金を納付しないときは、売却許可決定は、その効力を失う。この場合においては、買受人は、第六十六条の規定により提供した保証の返還を請求することができない。
前項前段の場合において、次順位買受けの申出があるときは、執行裁判所は、その申出について売却の許可又は不許可の決定をしなければならない。
第八十一条
土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において、その土地又は建物の差押えがあり、その売却により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合においては、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
第八十二条
買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。
買受人の取得した権利の移転の登記
売却により消滅した権利又は売却により効力を失つた権利の取得若しくは仮処分に係る登記の抹消
差押え又は仮差押えの登記の抹消
買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。
第一項の規定による嘱託をするには、その嘱託情報と併せて売却許可決定があつたことを証する情報を提供しなければならない。
第一項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、買受人の負担とする。
第八十三条
執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
買受人は、代金を納付した日から六月(買受けの時に民法第三百九十五条第一項に規定する抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあつては、九月)を経過したときは、前項の申立てをすることができない。
執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。
第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
第八十三条の二
強制競売の手続において、第五十五条第一項第三号又は第七十七条第一項第三号に掲げる保全処分及び公示保全処分を命ずる決定の執行がされ、かつ、買受人の申立てにより当該決定の被申立人に対して引渡命令が発せられたときは、買受人は、当該引渡命令に基づき、次に掲げる者に対し、不動産の引渡しの強制執行をすることができる。
当該決定の執行がされたことを知つて当該不動産を占有した者
当該決定の執行後に当該執行がされたことを知らないで当該決定の被申立人の占有を承継した者
前項の決定の執行後に同項の不動産を占有した者は、その執行がされたことを知つて占有したものと推定する。
第一項の引渡命令について同項の決定の被申立人以外の者に対する執行文が付与されたときは、その者は、執行文の付与に対する異議の申立てにおいて、買受人に対抗することができる権原により不動産を占有していること、又は自己が同項各号のいずれにも該当しないことを理由とすることができる。
第八十四条
執行裁判所は、代金の納付があつた場合には、次項に規定する場合を除き、電子配当表(次条第三項に規定する電子配当表であつて、同条第五項の規定によりファイルに記録されたものをいう。)に基づいて配当を実施しなければならない。
債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて売却代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところにより、売却代金の電子交付計算書(執行裁判所が、最高裁判所規則で定めるところにより、弁済金及び剰余金を交付するために、売却代金の額、各債権者の債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、執行費用の額並びに弁済金の交付の順位及び額を記録して作成する電磁的記録をいう。次項において同じ。)を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。
執行裁判所は、前項の規定により電子交付計算書を作成した場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。
代金の納付後に第三十九条第一項第一号から第六号までに掲げる文書又は電磁的記録の提出があつた場合において、他に売却代金の配当又は弁済金の交付(以下「配当等」という。)を受けるべき債権者があるときは、執行裁判所は、その債権者のために配当等を実施しなければならない。
代金の納付後に第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書又は電磁的記録の提出があつた場合においても、執行裁判所は、配当等を実施しなければならない。
第八十五条
執行裁判所は、第八十七条第一項各号に掲げる各債権者について、その債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、執行費用の額並びに配当の順位及び額を定める。ただし、配当の順位及び額については、全ての債権者間に合意が成立し、執行裁判所に対しその旨の届出があつた場合又は配当期日において全ての債権者間に合意が成立した場合は、この限りでない。
執行裁判所は、前項本文の規定により配当の順位及び額を定める場合には、民法、商法その他の法律の定めるところによらなければならない。
第一項の規定により同項本文に規定する事項(同項ただし書に規定する場合には、配当の順位及び額を除く。次条第一項において同じ。)が定められたときは、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子配当表(裁判所書記官が、最高裁判所規則で定めるところにより、配当を実施するために次項に規定する事項を記録して作成する電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。
電子配当表には、売却代金の額及び第一項本文に規定する事項についての執行裁判所の定めの内容(同項ただし書に規定する場合にあつては、配当の順位及び額については、その合意の内容)を記録しなければならない。
裁判所書記官は、第三項の規定により電子配当表を作成した場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。
第八十五条の二
執行裁判所は、前条第一項の規定により同項本文に規定する事項を定めたときは、第八十九条第一項の規定による異議の申出をすべき期間(以下「異議申出期間」という。)を指定しなければならない。
執行裁判所は、前項の規定による異議申出期間の指定をした場合には、当該指定の裁判及び前条第三項の規定により作成された電子配当表(同条第五項の規定によりファイルに記録されたものに限る。次条第四項を除き、以下同じ。)を前条第一項に規定する債権者及び債務者に送付しなければならない。