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民事執行法(みんじしっこうほう)

第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行(第四十三条から第五十四条まで)

民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和八年法律第四十六号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行

第一款 不動産に対する強制執行

第一目 通則

第四十三条

(不動産執行の方法)
第一項

不動産(登記することができない土地の定着物を除く。以下この節において同じ。)に対する強制執行(以下「不動産執行」という。)は、強制競売又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができる。

第二項

金銭の支払を目的とする債権についての強制執行については、不動産の共有持分、登記された地上権及び永小作権並びにこれらの権利の共有持分は、不動産とみなす。

第四十四条

(執行裁判所)
第一項

不動産執行については、その所在地(前条第二項の規定により不動産とみなされるものにあつては、その登記をすべき地)を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。

第二項

建物が数個の地方裁判所の管轄区域にまたがつて存在する場合には、その建物に対する強制執行については建物の存する土地の所在地を管轄する各地方裁判所が、その土地に対する強制執行については土地の所在地を管轄する地方裁判所又は建物に対する強制執行の申立てを受けた地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。

第三項

前項の場合において、執行裁判所は、必要があると認めるときは、事件を他の管轄裁判所に移送することができる。

第四項

前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。

第二目 強制競売

第四十五条

(開始決定等)
第一項

執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言しなければならない。

第二項

前項の開始決定は、債務者に送達しなければならない。

第三項

強制競売の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第四十六条

(差押えの効力)
第一項

差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生ずる。ただし、差押えの登記がその開始決定の送達前にされたときは、登記がされた時に生ずる。

第二項

差押えは、債務者が通常の用法に従つて不動産を使用し、又は収益することを妨げない。

第四十七条

(二重開始決定)
第一項

強制競売又は担保権の実行としての競売(以下この節において「競売」という。)の開始決定がされた不動産について強制競売の申立てがあつたときは、執行裁判所は、更に強制競売の開始決定をするものとする。

第二項

先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の申立てが取り下げられたとき、又は先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の手続が取り消されたときは、執行裁判所は、後の強制競売の開始決定に基づいて手続を続行しなければならない。

第三項

前項の場合において、後の強制競売の開始決定が配当要求の終期後の申立てに係るものであるときは、裁判所書記官は、新たに配当要求の終期を定めなければならない。この場合において、既に第五十条第一項(第百八十八条において準用する場合を含む。)の届出をした者に対しては、第四十九条第二項の規定による催告は、要しない。

第四項

前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第五項

第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

第六項

先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が停止されたときは、執行裁判所は、申立てにより、後の強制競売の開始決定(配当要求の終期までにされた申立てに係るものに限る。)に基づいて手続を続行する旨の裁判をすることができる。ただし、先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が取り消されたとすれば、第六十二条第一項第二号に掲げる事項について変更が生ずるときは、この限りでない。

第七項

前項の申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。

第四十八条

(差押えの登記の嘱託等)
第一項

強制競売の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、直ちに、その開始決定に係る差押えの登記を嘱託しなければならない。

第二項

登記官は、前項の規定による嘱託に基づいて差押えの登記をしたときは、その旨及び最高裁判所規則で定める事項を執行裁判所に通知しなければならない。

第四十九条

(開始決定及び配当要求の終期の公告等)
第一項

強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、電子物件明細書(第六十二条第二項に規定する電子物件明細書をいう。)の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。

第二項

裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。

一

第八十七条第一項第三号に掲げる債権者

二

第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)

三

租税その他の公課を所管する官庁又は公署

第三項

裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。

第四項

裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。

第五項

第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第六項

第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

第五十条

(催告を受けた者の債権の届出義務)
第一項

前条第二項の規定による催告を受けた同項第一号又は第二号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。

第二項

前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。

第三項

前二項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。

第五十一条

(配当要求)
第一項

第二十五条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者、登記(仮登記を除く。)がされた一般の先取特権を有する債権者及び第百八十一条第一項第二号に掲げる文書又は電磁的記録により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。

第二項

配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第五十二条

(配当要求の終期の変更)
第一項

配当要求の終期から、三月以内に売却許可決定がされないとき、又は三月以内にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたときは、配当要求の終期は、その終期から三月を経過した日に変更されたものとみなす。ただし、配当要求の終期から三月以内にされた売却許可決定が効力を失つた場合において、第六十七条の規定による次順位買受けの申出について売却許可決定がされたとき(その決定が取り消され、又は効力を失つたときを除く。)は、この限りでない。

第五十三条

(不動産の滅失等による強制競売の手続の取消し)
第一項

不動産の滅失その他売却による不動産の移転を妨げる事情が明らかとなつたときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。

第五十四条

(差押えの登記の抹消の嘱託)
第一項

強制競売の申立てが取り下げられたとき、又は強制競売の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その開始決定に係る差押えの登記の抹消を嘱託しなければならない。

第二項

前項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、その取下げ又は取消決定に係る差押債権者の負担とする。