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民事執行法(みんじしっこうほう)

第一節 総則(第三十四条から第四十二条まで)

譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和七年法律第五十七号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

第三十四条

(執行文付与に対する異議の訴え)
第一項

第二十七条の規定により執行文が付与された場合において、債権者の証明すべき事実の到来したこと又は債務名義に表示された当事者以外の者に対し、若しくはその者のために強制執行をすることができることについて異議のある債務者は、その執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行の不許を求めるために、執行文付与に対する異議の訴えを提起することができる。

第二項

異議の事由が数個あるときは、債務者は、同時に、これを主張しなければならない。

第三項

前条第二項の規定は、第一項の訴えについて準用する。

第三十五条

(請求異議の訴え)
第一項

債務名義(第二十二条第二号又は第三号の二から第四号までに掲げる債務名義で確定前のものを除く。以下この項において同じ。)に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができる。裁判以外の債務名義の成立について異議のある債務者も、同様とする。

第二項

確定判決についての異議の事由は、口頭弁論の終結後に生じたものに限る。

第三項

第三十三条第二項及び前条第二項の規定は、第一項の訴えについて準用する。

第三十六条

(執行文付与に対する異議の訴え等に係る執行停止の裁判)
第一項

執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えの提起があつた場合において、異議のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点について疎明があつたときは、受訴裁判所は、申立てにより、終局判決において次条第一項の裁判をするまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで強制執行の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てさせて強制執行の続行を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。急迫の事情があるときは、裁判長も、これらの処分を命ずることができる。

第二項

前項の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。

第三項

第一項に規定する事由がある場合において、急迫の事情があるときは、執行裁判所は、申立てにより、同項の規定による裁判の正本又は記録事項証明書を提出すべき期間を定めて、同項に規定する処分を命ずることができる。この裁判は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えの提起前においても、することができる。

第四項

前項の規定により定められた期間を経過したとき、又はその期間内に第一項の規定による裁判が執行裁判所若しくは執行官に提出されたときは、前項の裁判は、その効力を失う。

第五項

第一項又は第三項の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

第三十七条

(終局判決における執行停止の裁判等)
第一項

受訴裁判所は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えについての終局判決において、前条第一項に規定する処分を命じ、又は既にした同項の規定による裁判を取り消し、変更し、若しくは認可することができる。この裁判については、仮執行の宣言をしなければならない。

第二項

前項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

第三十八条

(第三者異議の訴え)
第一項

強制執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。

第二項

前項に規定する第三者は、同項の訴えに併合して、債務者に対する強制執行の目的物についての訴えを提起することができる。

第三項

第一項の訴えは、執行裁判所が管轄する。

第四項

前二条の規定は、第一項の訴えに係る執行停止の裁判について準用する。

第三十九条

(強制執行の停止)
第一項

強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。

一

債務名義(執行証書を除く。)若しくは仮執行の宣言を取り消す旨又は強制執行を許さない旨を記載した執行力のある裁判の正本又は記録事項証明書

二

債務名義に係る和解、認諾、調停又は労働審判の効力がないことを宣言する確定判決の正本又は記録事項証明書

三

第二十二条第二号から第四号の二までに掲げる債務名義が訴えの取下げその他の事由により効力を失つたことを証する調書の正本その他の裁判所書記官の作成した文書

四

強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した裁判上の和解の調書の正本又は電子調書(民事訴訟法第百六十条第一項に規定する電子調書をいう。第百六十七条の二第一項第四号において同じ。)の記録事項証明書

四の二

強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した調停の調書又は労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第二十一条第四項の規定により裁判上の和解と同一の効力を有する労働審判の審判書若しくは同法第二十条第七項の調書の正本

五

強制執行を免れるための担保を立てたことを証する文書

六

強制執行の停止及び執行処分の取消しを命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書

七

強制執行の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書

八

債権者が、債務名義の成立後に、弁済を受け、又は弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書

第二項

前項第八号に掲げる文書のうち弁済を受けた旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、四週間に限るものとする。

第三項

第一項第八号に掲げる文書のうち弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、二回に限り、かつ、通じて六月を超えることができない。

第四十条

(執行処分の取消し)
第一項

前条第一項第一号から第六号までに掲げる文書が提出されたときは、執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分をも取り消さなければならない。

第二項

第十二条の規定は、前項の規定により執行処分を取り消す場合については適用しない。

第四十一条

(債務者が死亡した場合の強制執行の続行)
第一項

強制執行は、その開始後に債務者が死亡した場合においても、続行することができる。

第二項

前項の場合において、債務者の相続人の存在又はその所在が明らかでないときは、執行裁判所は、申立てにより、相続財産又は相続人のために、特別代理人を選任することができる。

第三項

民事訴訟法第三十五条第二項及び第三項の規定は、前項の特別代理人について準用する。

第四十二条

(執行費用の負担)
第一項

強制執行の費用で必要なもの(以下「執行費用」という。)は、債務者の負担とする。

第二項

金銭の支払を目的とする債権についての強制執行にあつては、執行費用は、その執行手続において、債務名義を要しないで、同時に、取り立てることができる。

第三項

強制執行の基本となる債務名義(執行証書を除く。)を取り消す旨の裁判又は債務名義に係る和解、認諾、調停若しくは労働審判の効力がないことを宣言する判決が確定したときは、債権者は、支払を受けた執行費用に相当する金銭を債務者に返還しなければならない。

第四項

第一項の規定により債務者が負担すべき執行費用で第二項の規定により取り立てられたもの以外のもの及び前項の規定により債権者が返還すべき金銭の額は、申立てにより、執行裁判所の裁判所書記官が定める。

第五項

前項の申立てについての裁判所書記官の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第六項

執行裁判所は、第四項の規定による裁判所書記官の処分に対する異議の申立てを理由があると認める場合において、同項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定めるべきときは、自らその額を定めなければならない。

第七項

第五項の規定による異議の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。

第八項

第四項の規定による裁判所書記官の処分は、確定しなければその効力を生じない。

第九項

民事訴訟法第七十四条第一項の規定は、第四項の規定による裁判所書記官の処分について準用する。この場合においては、第五項、第七項及び前項並びに同条第三項の規定を準用する。